臨床僧の会 門戸の拡大(発展を期して)
会員 臨濟宗妙心寺派 京都法輪寺 佐野泰典
本会は、発足して僅か数ヶ月です。
「病み、悩み苦しむ人々の友になろう」。僧侶として、宗教者としての本分を尽くしたいと、会員は現在研修中です。(多忙なため、会員の多くはヘルパー二級の夜間講座を受講しています)
この数ヶ月、会員としての研修会(勉強会)や、縁あって参加している「がん患者の会」で集う人たち、そこで出会ったお医者様や看護師さんたちとの交流を通じて感じたこと、今後の展望や希望を記します。
◇たとえ資格がなくとも出来ることは、山のごとくあります
医療や介護関係の公的資格がなくとも、あるいは寺務に忙殺される多忙な寺院住職や寺族で、「とても資格取得の時間がとれない」という方々でも、病み、悩む人々の話し相手になることや、一緒にお茶を飲んだりすることなら、誰にでも出来ることです。こうした活動も重要なことだと思います。
◇お寺をみんなのために役立てましょう
多くの方々からの声として、寺院の広くゆったりとした空間は、そこにいるだけで身も心も癒やされるそうです。
こうした方々のために、檀信徒の方々以外にもお寺を開放し、役立てたらどうでしょうか。
◇寺族(寺庭さん)の方々のご参加を
寺院で檀信徒に接する機会の多いのは、住職よりも寺庭婦人の奥様方ではないでしょうか。その分、檀信徒の方々も寺庭さんに心を開いておられることが多く、なんでも相談し易い環境がすでにあります。そんな寺庭さんたちの臨床僧の会への参加、活動が今後望まれると思います。
◇最後に
現在我々寺院を取り巻く環境は厳しいものになってきています。少子高齢化や、法要の簡素化を望む人たちの増加。言い換えれば、一般社会から寺院・僧侶の存在意義が問われております。果たして、宗教法人は公益法人として認められ続けるのか否か。どこまで出来るのか。私たちは、歩み始めたところです。共に活動をされる方、応援していただける方々の広いご参加を切に望みます。